（合気道が登場する作品を紹介する記事の続き）
漫画「イビル ハート (Evil Heart)」
敵を倒す技として描かれることの多い合気道ですが、これは「争わない道」としての合気道にスポットが当てられた珍しい作品。誰の心にも巣食う邪悪(evil)な部分と向き合い、折り合う術はあるのでしょうか。「合気道探求（合気会の機関誌）」でもこの作者へのインタビュー記事が掲載されたことがありました。合気道家からは支持されたこの作品も、残念ながらセールス的には大ヒット御礼・・とはいかなかったようです。
漫画「拳児」
「読めば強くなる」というコピーで人気を博した拳法漫画。今ではゲームやアニメなどにもよく登場する「八極拳」を一躍メジャーにした総合武術漫画。見よう見まねで「裡門頂肘」(※)をやってみた人も多いはず！主人公は中国拳法だけでなく、空手やボクシング、相撲、大東流などを通じて「強いとはどういうことか」を学んでいきます。國際松濤館空手宗家の金澤弘和先生や、大東流の佐川幸義師範などの実在の達人を模したキャラクターが多く登場します。合気道は、出てこない・・・残念。いやいやそれがですね、今思えば最終回のシメが「それって・・翁先生の境地ぢゃねーの？」って思うんですよ。いや、武とはすべからくその境地に辿り着くものなのでしょうか。拳児も合気道やればよかったのに～。
アニメ「鬼滅の刃」
言わずと知れた大人気漫画。そのアニメ版で山本愈史郎というキャラクターが、主人公に見事な四方投げ崩し（座技）をかますシーンがあります。原作では、その投げ方は具体的に描写されていませんが、アニメ版の作画担当者が合気道家だったのでしょうか？ギャグシーンですが、理合を理解した経験者が監修したとしか思えない見事な作画でした。
私が知らないだけで合気道を扱った作品はまだまだあるとは思いますが、空手や柔剣道に比べるとまだまだ合気道の知名度は低いですね。合気道を正しく、カッコよく伝えてくれるクリエイターの登場に期待しましょう。（Y）
※ 裡門頂肘（りもんちょうちゅう）：肘を使う体当たり技。近接攻撃を得意とする八極拳を代表する技の一つ
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