定期的な杖・剣・短刀の稽古が定着し、酷暑にも負けず、ますます意気盛んな浜風の稽古でございます。
私は、会所有の杖と木剣を数本お預かりしているのですが、気になっていることがありました。それは・・・名前が書かれていないことです。
「そんなんマジックでチョイチョイって『ハマ』とでも書いときゃええやん」
ハアっ!?黙らっしゃい、この美を解さぬ凡愚どもっ!!
日本刀が美術品と称される所以は、その刀身の美しさだけではありません。その外装となる鞘や鍔、目貫や柄巻きにいたるまで様々な実用的工夫と意匠が凝らされ、多くの専門職人たちによる技の粋が結集された美の博覧会であるからです。
その日本刀の魂を模した木剣にチョイチョイとマジックで・・!?何たる不敬。許しません。武道家の端くれとして、これら無銘の木剣たちに美の魂をチューニュー♡してやろうではありませんかっ!ふっ、ふざけてませんっっ!(名前書いとかないと間違って持っていかれるんで⤵)
さーて何と銘打ってやりましょうか・・ここはベタに「浜」で。「風」だと、スケバン刑事Ⅱで凝ったキャラ設定の割にあっけなく倒されてしまった刺客の『風』さんを多くの人が連想してしまうのでやめておきます。
まず、ウェブからカッコよさげな字体を拾ってきて、フォトショでチョイチョイと柄頭の大きさに合わせてサイズ調整します。
紙に出力した字にお払い箱になったクリアファイルの切れ端を重ねてトレース 。
クリアファイルへの直接印字はオススメしません。
スマホやタブレットの画面から直接トレースするデジタル技もアリ 。
トレースした線をカッターやデザインナイフで切り抜いて型紙を作ります。切り抜きはそんなに精密でなくてもオッケー。大体の線の位置をマークできれば良いので。
型紙をテープで固定し、細マジックで枠をなぞってマーク
薄いプラスチックの型紙なので力を入れ過ぎるとズレてしまいます。そこで合気道で培った得意の脱力で優しくスルスルと枠をなぞっていきますっ!(幻)
ここで問題。柄頭の底面のデザインの向きは、どちらが上となるべきでしょうか?
答えは、「刃の側が上」。鍔や目貫の意匠もそうですが、刀を腰に差した状態で正面と横から正しく見えるようにデザインを配します。
これは安物の居合刀でちょっとわかりにくいですが、鍔は鶴が翼を広げたデザインの「鶴丸」、柄金は「龍」です。それぞれ写真の上側が刃、下側が峰です。どちらも、刃の方が上となるようデザインされていますよね。
ちなみに、刃を上にして腰に差すのが「刀」。刃を下にして腰に吊るすのが「太刀(たち)」です。太刀は甲冑を着けて馬上から振るうことが想定されているため、刀よりも長大なものが多いですが、刀身の長さによる区分ではなく運用の違いです。
ちなちな、カヌーとカヤックもそのパドルの種類と漕ぎ方の違いであり、ボートの形状の違いではありません。
最後にオリジナルの字体を見ながら、チョイチョイとマジックでトメ・ハネ、線の太さなどを修正します。
でけたー
はまはまはまはまはまはま・・・
(Y)
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