この度、怖れ多くも昇段させていただきました。
恐縮のあまり、額が地面にめり込む思いです。
はひ~、不肖このワイが・・さ・さんだんなんスかぁ~? 飽きっぽいこの私がよく10年近く稽古が続いたものだと感心します。言いようのない面白さと果てしない奥深さに誘われて、今後も精進してまいります。
さて、どうでもいいことが気になる性分のワタクシ、この昇段(級)の「認定状」の名称が気になります。「證」と謳っているからには「しょう状」と呼ぶのが正しく、そう呼ぶ方も多いですが「賞状」と同音になってしまうので私は好んで「免状」と言います。
日本の現代文化における典型的な「表彰状」の飾り縁には、一般的に対の鳳凰や桐がデザインされていますが、鳳凰はもともと中国文化において重用された意匠であり、日本固有の価値観にもとづくものではありません。この合気会の免状は、飾り縁の無いスッキリと潔いデザインに堂々と大書されているところが、神社の境内のような清浄さが感じられていいなあと思うのです。
この免状の文言は「級位」「初~四段位」「五~八段位」によって微妙に違うようです。それぞれ、その位を(に)「授与ス」「允可ス」「列ス」とされています。言葉が違うんだから与えられた意味も違うんでしょうが、なぜかワタクシ、この違いについてはあまり関心がありません。「とりあえずコレで一区切りな。これからもがんばれよ」という意味においてはみんな同じでしょうし、「もっと上手くなりたい」の一心で稽古を楽しんでいる私のような者には(たいていの人はそうですが)その位の数字さえ不要な気もします。あ、いえ、いただけるものはいただきますけどねっ。
この昇段證書には篆書体(※1)で「合気道本部」(※2)と書かれた透かしが入っています。製紙における透かしは、単に打刻で部分的に凹凸をつけるのではなく、部分的に材料を薄めなければならない高度な技法です。昇段の免状を貰ったら明りにかざして見てニヤニヤしましょう。(Y)

※1:篆書体(てんしょたい) 象形文字から発展した漢字の最も古い形態。現在でも愛好家が多く、印章や碑銘などに使用され需要も多い。
※2:独自の解読です。違っていたらスミマセン。
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